建艦日報

艦船模型ブログのはずが徐々に方向性が不明なことに・・・、 混沌なるカオスへようこそ。

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瑞鶴 最終時の迷彩について(4) 陸地偽装説

空母の対空迷彩パターンは、果たして何を意図して塗られたものなのか?というのは誰しもが興味のあるところだと思います。
試しに瑞鶴の迷彩に言及しているサイトを求めてインターネットの海を漂ってみると、「商船偽装説」と「陸地偽装説」の二つがあり、私見ですが「陸地偽装説」を信じている人のほうが若干多いような印象を受けます。

※wikimediaから画像をいただき、できるだけ水野氏のイラストの色調に近づけてみました。
zuikaku224.jpg
前回でも書いたように陸地偽装説は、1997年に発売された学研「翔鶴型空母」で、水野行雄氏のイラストと共に発表された説ですが、どれほど信憑性があるのか検討するため、イラストに添付された水野氏の解説を原文のまま引用させていただきます。


(前略)
飛行甲板の迷彩パターン・色彩について、関係者の証言・文書等を探していたところ、「世界の艦船」1983年4月号の記事が重要なヒントを与えてくれた。ここに掲載したイラストの「瑞鶴」が従来の通説となっている色合いと違っているとすれば、以下のような理由である。
「世界の艦船」誌の記事には、甲板上の色として、黒・濃緑・緑・黒緑・茶緑が使われたとある。また、石橋孝夫氏が執筆原稿とともに添付された、米海軍の調査によると思われる「雲龍」の迷彩図のコピーを見せていただいたが、これによっても、甲板上には「軍艦色」(ねずみ色)が記されていない。これが、今回のイラストの大きなポイントだと思う。
作者個人の推察に過ぎないが、行動中の偽装以上に甲板上のカムフラージュは、碇泊中にこそ重きをおいたのではないか?舷側の商船に似せた迷彩は、対潜水艦としてのものであることは十分理解できる。しかし、行動中はウェーキ(航跡)によって容易に航空機から海上において発見できたと思う(船の進路をくらますため甲板上に船の形を中心からずらせたシルエットとして塗装をしてあるが……)。
上記の資料で甲板上に軍艦色を使用しなかった理由はおのずと明らかになったと思う。瀬戸内海の島々の色(松林、草地、水田等々)に溶け込ませるのが本来の目的ではなかったか。
以上は、あくまでも、イラスト製作者としての推論の域を出ていない。しかし、1944年当時、本土にあった大型艦に対する重油備蓄量を考えれば、行動中よりも碇泊中の時間が長かったことは、あながち否定できないことだったのではないか。
(後略)


商船偽装説に異を唱える理由として、上記の解説文から読み取れることは
●迷彩色に軍艦色が使われておらず、人工物よりも自然物を思わせること。
●船体形を斜めに描いて艦の進路を欺瞞させようとしても、航跡でバレてしまうので爆撃対策としては弱い。
●航海しているよりも碇泊している時間のほうが長い。
以上の理由から商船偽装説に疑問を抱いた水野氏は、空母葛城が接岸した島の一部に見えるよう偽装(仮設の小屋を建てたり道路を作る等)をして空襲を免れたという逸話と関連付けて、この結論に至ったのかもしれません。

意外にも陸地偽装説の根拠はこれだけです。少なくとも解説文を読む限り、対空迷彩に関して目撃者の証言があったようには思えないことから、実艦の写真や「雷撃隊出動」の映像から読み取った情報以外は水野氏の想像であることが伺えます。
確かに目の字パターンは水田や畑を模したように見え、見た目の説得力はあるのですが、商船偽装説を否定するには、私個人としては少々根拠が弱いのではないかと思います。
資料不足で断言はできないのですが、船舶保護法に従った商船甲板の塗装指示が軍艦色だったとは限らないですし、碇泊中の期間が長かったとしても、空母を商船に偽装できる可能性があるのなら、偵察機対策の上でも特に損は無いのではないでしょうか。
水野氏自身も「推論の域を出ていない」と書かれていますので、どちらの説を信じるにしても冷静な判断が必要なのではないかと思います。

次回は「商船偽装説」について解説します。


  1. 2009/05/22(金) 23:20:59|
  2. 瑞鶴 (最終時)
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