建艦日報

艦船模型ブログのはずが徐々に方向性が不明なことに・・・、 混沌なるカオスへようこそ。

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瑞鶴 最終時の迷彩について(2) 対潜迷彩

瑞鶴の舷側迷彩は、このように外舷21号・22号色での塗り分けになっていると、多くの出版物等で解説されています。
zuikaku216.jpg
※略図です。

しかし……、この配色は本当に正しいのだろうかと、最近は懐疑的に思っています。
前回で解説した商船用の対潜迷彩は、船体の大きさを欺瞞する目的で施されたものでした。
それに対し空母用の対潜迷彩は少々目的が異なり、空母を商船に見せかける為の塗装です。

でも、この配色で、果たして本当に空母を商船に見せかけることができるのか?と疑問に思います。
もちろん塗装を施した程度で完璧に偽装できるとは思いませんが、もう少しマシな配色があるのではないか、ということです。

そしてもう一つ、最終時の瑞鶴を撮影したとされるこの写真、どう見ても明度差が21・22号色のものには見えません。
zuikaku215.jpg

モデルアート2008年7月号の瑞鶴特集でも、何種類かの塗装例を挙げていて、「実艦が沈んでしまったので正確にはわからない」と解説されています。
結局のところ、空母の対潜迷彩に外舷21・22号色の二色が使用されていたというのは、あくまで推測でしかないのかもしれません。

それでは、軍の規定ではどのように指示されていたのか?ということが気になるのですが、空母に関しては商船の場合と違って、日本軍の指示書のようなものがありません(未発見なのか未発表なのかは不明です)。
ただ、それに類する資料として米海軍の調査資料(学研「翔鶴型空母」、「空母大鳳・信濃」に掲載)があるのですが、対潜迷彩の一例として雲龍型のパターンが紹介されています。
それによると、舷側の塗り分けは軍艦色をベースにダークブルーで商船の形を描くとされており、現在主流の説である濃淡二色のグリーンとは違っています。
zuikaku217.jpg

このパターンが果たして実験段階のものであるのか、実際に使用されたものであるのかまでは不明ですが、葛城の舷側に青系塗料で商船形が描かれていたという話もありますので、軍の規定がこうだった可能性もあるかもしれません。

このような疑問を持ったのは、やはり私だけではなかったらしく、既に一年程前、多度海軍工廠様のブログで触れられています(勝手にリンクを張らせて頂きました)。
そちらでは最終的に、水野行雄氏のアドバイスと天城のカラー写真を参考に配色を決定されたようです。

水野行雄氏は、青灰色と海軍機用の濃緑色であるとの結論に至っていて、実際に瑞鶴を見た人の証言を根拠にしているだけあって説得力があります。
ただ、航空機用の塗料を艦船に使用するものかどうか、私個人としては少々違和感を感じます。
証言者の方が当時どのような立場の人であったのか、塗装担当の人で「飛行機用の塗料を使用した」と言ったのか、或いは塗料の知識が無い人が「海軍機の緑色に見えた」と言ったのか、その辺りが曖昧である以上、手放しで信じる気分にはなれません。

ですから自分としては、舷側の商船型塗装部分は外舷2号色。そして船体のベースとなる青灰色というのは外舷1号色(防空鼠色)、あるいはそれに白を混ぜて明るくしたもの、というのが妥当なのではないかと考えています。
zuikaku219a.jpg

テーマ:模型・プラモデル・フィギュア製作日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2009/05/05(火) 20:36:38|
  2. 瑞鶴 (最終時)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

コメント

こんばんは。Hayatakaです。

空母の舷側迷彩に関する御考察、興味深く拝見いたしました。艦船の迷彩や塗装に関する近年の研究成果には、めざましいものがありますね。ただ驚くばかりです。

もう20年以上前、エビス湾で空母笠置と隼鷹を見たことのある方と知り合い、詳細をお聞きした事があります。その方は、「笠置は鮮やかなコバルトブルーで印象的でした。」とおっしゃっていました。その時は若年だった事もあり、あまり気に留めなかったのですが、雲龍の図面などブルー説を裏付けるような資料も発掘され、もっとよくお話を伺っておくべきだった…と後悔しています。

空母の舷側迷彩は、おっしゃるとおり私も某塗料メーカーの塗料セットは写真から感じる明度差と一致しないと感じます。学研本「真実の艦艇史」掲載の空母天城のカラー写真が決定打のように思います。
白黒写真の濃度を考慮すると、水野氏のおっしゃる通り、濃い色は海軍機色でも違和感ないような気がします。明るい色は、彩度の低いパステルミントのような色ではなかったかと個人的には思います。パソコン上で調色、白黒にして写真と比較しても、濃度差の感じはよく一致します。軍艦色ではないのは、明度から確かのように思います。
  1. 2009/05/10(日) 20:45:30 |
  2. URL |
  3. Hayataka #puplzoCM
  4. [ 編集]

Hayataka様、コメントありがとうございます。
本当に、新情報の発見や研究は格段に進歩していますね、旧キット信濃の船体塗装指示がフラットグリーン一色だった時代を思い出すと、隔世の感があります。
しかしその一方で資料の入手のし辛さや、情報が分散している事が多かったりで、未だに悩まされることしきりです。

笠置を実際に見たという方の件、本当に惜しいと思います。
やはり証言者の話というのは一番信頼性の高い情報ですね、そういう話を聞ける機会というのはもうほとんど無くなっているのかもしれないですが、
今後とも、少しでも情報が発掘されてくれれば良いなと思います。

そういえば、対空迷彩の画像解析の記事ですが、早速拝見しました。
今回も凄い分析で、驚くと同時にネイビーヤード誌掲載の迷彩図面に説得力を感じることができました。
ただ、後半の不鮮明な部分に関しては少々疑問がありますので、もうしばらく自分なりに考えてみたいと思います。
  1. 2009/05/11(月) 22:24:04 |
  2. URL |
  3. 鈴林勝平 #-
  4. [ 編集]

こんばんは。Hayatakaです。

当方の掲示板をご覧いただき、ありがとうございます。

掲示板記事中にも書きました通り、迷彩パターン解析については飛行甲板前端~中部まではほぼ確実に解明できたのですが、中部~後半部分については、説得力に欠ける内容だと自覚しております。あくまで、数多く発表されている迷彩図のひとつとして、鈴林様の製作の参考としていただければ幸いです。

翔鶴・瑞鶴については、この最終時考証の他にも何点か未発表の事実があり、今後も興味深い内容の記事が書けそうです。ただ、仕事が多忙でなかなか解析・発表作業が進みません。今後とも気長にお付き合い願えればと思います。よろしくお願いします。
  1. 2009/05/17(日) 21:25:58 |
  2. URL |
  3. Hayataka #7jKayCg.
  4. [ 編集]

Hayataka様、こんにちは

前半の迷彩パターンに関して、これほどはっきりと位置や形状が特定できたことに正直驚きました。
今まで発表されてきた迷彩図では目の字がゆがんでいたりするのもあったりして「何かおかしい」感が拭えず、懐疑的にならざるをえませんでした。しかし今回の考証が公開されたことで、もう疑念を抱く余地は無くなったと思います。
自分の技術では、あのような画像解析は困難ですので本当にありがたいと思っています。
後半部の目の字パターンに関しては、印刷物からの解析という都合上仕方がないと言いますか、これ以上は限界なのではないかと思いますので、手持ちの資料から検証してみたいと思います。

しかし翔鶴型に関して、まだまだ未発表の情報が残されているというのが面白いですね、今後も楽しみに拝見させていただきます。
海軍艦艇に関しては、失われた情報が多くて絶望的な気分になることもしばしばですが、未発表の資料が今後も発掘される可能性が残されているのかと思うと、とても嬉しくなります。
  1. 2009/05/19(火) 00:09:10 |
  2. URL |
  3. 鈴林勝平 #-
  4. [ 編集]

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